クーデター

2017/11/14

ジョン・エリック・ドゥードル監督作「クーデター」("No Escape" : 2015)[BD]

技術者が家族と共に赴任した先の国でクーデターが勃発し、外国人の命を狙う反乱軍から逃れるべく奔走する様を描くアクション・スリラー作品。

 

技術者のジャックは、テキサス州オースティンで営んでいた会社が廃業を余儀なくされた為に、水道整備事業の大手カーディフ社に就職する。ジャックは支援事業の現地要員として、東南アジア某国へ赴任する事になり、妻アリーと二人の幼い娘ルーシーとビーズを連れ、テキサスを発つ。

現地の空港に到着したジャック達は、迎えの車が来ず、更に携帯も不通になっている事から困惑する。そこへ機内で知り合った遊び人の風貌の英国人ハモンドが、友人ケニーのトラックへの同乗を誘う。一行は物々しい雰囲気の夜の市街地を抜け、宿泊予定のロータス・ホテルへ向かう。ホテルの部屋に着いた後、ジャック達はテレビが映らず、更に電話も不通で使えない事を知る。ジャックはフロントに問い合わせると、街全体が原因不明でそうなっている事を知る。ジャックはカーディフから何ら連絡が無い事を訝る。バーを訪ねたジャックはハモンドと再会し、酒を飲み交わしながら互いの境遇について語り合う。この国に何度も訪れているハモンドは、風変わりな文化に戸惑う様子のジャックを歓迎する。

その夜、首相公邸にカーディフの社長が訪れ、首相と会談に臨み、契約を取り交わす。その直後、公邸が過激派に襲撃され、首相が殺害される。一方、眠りに就いたジャックは物音で目を覚ますと、浴室で蹲って泣いているアニーを発見する。ジャックは赴任を勝手に決め、家族を巻き込んでしまった事をアニーに詫びる。

翌日、ホテルに新聞が配達されていない事を知ったジャックは、住民で賑わう市場を抜け、売店で英語圏の新聞を買い求めるが、三日前の物しか無い事を知る。ホテルへ戻ろうとした矢先、ジャックは警察隊と武装した暴徒の衝突に遭遇する。ジャックは両者により繰り広げられる激しい争いを掻い潜り、更に暴徒の追跡を退け、ホテルに辿り着く。ジャックはエントランス前で外国人が暴徒の集団に処刑されるのを目撃し、外国人が標的にされている事を察知する。暴徒に見つかったジャックは、追手を退け、非常用のハシゴを昇り、窓を割ってホテル内部に逃げ込む。暴徒はホテルに押し入り、客や従業員達を次々に殺し始める。ジャックは部屋のある八階へ戻ると、騒ぎに気付かずプールに行く準備をしているアニーに事情を伝える。ジャックはルーシーが無断でプールに向かった事に気付くと、アニーとビーズを部屋に残し、四階のプールへルーシーの救出に向かう。

八階に到達した暴徒達は部屋に押し入り、客を殺し始める。アニーはビーズを浴室に隠れさせると、ドアを封鎖し、暴徒の侵入を阻もうと試みる。ジャックはプールでルーシーを確保した途端に暴徒に発見され、非常階段で八階を目指す。そこへハモンドが助けに現れ、屋上へ向かう様に命じる。ジャックは部屋に戻ると、アリーとビーズを連れ、暴徒の追跡を振りきって屋上へ到着する。

屋上には大勢の外国人客と従業員達が身を寄せ合い、救助を待つ。ジャックはそこで首相が殺害された事を聞き、現在起こっているのがクーデターだと知る。ホテルの前に集まった大勢の暴徒達は「皆殺しだ!水には血を!」と叫び続ける。ホテルの従業員の話から、その掛け声が水道会社を乗っ取る米国人への抗議だと判明する。当事者のジャックは、支援事業のつもりで来たはずが恨まれている事を知って困惑する。

その時、屋上にヘリが接近し、皆は救助が来たのだと安堵するが、それには反乱軍が乗っており、機関銃で一斉掃射を始め、大勢が犠牲になる。しかし、程なくヘリのローターが屋上に敷設されたコードに引っかかり、ヘリは屋上に墜落し、大破する。ジャック達は難を逃れるが、反乱軍は屋上のドアを破って銃撃を始める。ジャック達は決死の覚悟で隣の建物に跳び移るが、敵に察知されてしまい、柱を伝ってオフィスのある下の階に移動する。

安堵したのも束の間、ジャック達は建物の外に戦車が接近した事に気付き、オフィスに逃げ込む。その直後、オフィスは砲撃を受け、崩落する。程なく、反乱軍が捜索に現れ、従業員達を殺し始めると、ジャック達は瓦礫の下に身を隠す事でやり過ごす。ジャックは救助が望めない事を確信し、自力で米国大使館に向かう意向をアニーに告げる。

日が暮れ、反乱軍の気配が消えると、ジャック達は死体から服を奪って現地住民の様に装う。一方、建物の外では反乱軍による残虐な死刑が続けられる。ジャック達はオフィス内の地図を元に、大使館の位置を把握する。その時、反乱軍の男が現れ、ジャック達を発見すると応援を呼ぼうとする。ジャックは已む無く男を撲殺する。

変装を済ませたジャック達は、奪取したバイクに乗って大使館を目指す。その途中、ジャック達は反乱軍の行進と遭遇するも、これを辛うじて切り抜け、大使館へ辿り着く。バリケードが張られた大使館には人気が感じられず、ジャックは中の様子の確認に向かうが、既に職員や警備兵が殺害され、大使館が陥落している事を知る。その直後、大使館は爆発される。反乱軍に察知されたジャックは、アニー達を連れて逃走する。

ジャック達は寺院の中に身を寄せるが、そこに反乱軍の集団が現れ、捜索を始める。ジャックは不意を突いて銃を奪おうと画策し、男に忍び寄る。ジャックに危機が迫っている事を察知したアニーは、身を挺して集団の注意を引き付ける。しかし、ジャックは銃の奪取に失敗し、アニーはジャックの目の前でレイプされそうになる。そこへハモンドとケニーが現れ、奇襲を仕掛ける事で反乱軍を退け、ジャック達の窮地を救う。ハモンドは近くの建物の屋上にある隠れ家へジャック達を案内する。

ジャック達はケニーに振る舞われた食事を取り、休息する。ハモンドはジャック達に、建物近くの川を三キロ下るとベトナム国境に達し、それを超えた時点で庇護される事を伝える。ジャックはハモンドが単なる遊び人では無いと悟り、命を救われた事の礼を述べる。ハモンドはこの事態を招いたのが自分達だと明かす。ハモンドは欧米企業の尖兵役として、当該国に友好的に現れ、インフラ構築の為にその国に払えない額の貸付を申し出て、インフラ設備を作った後、借金が払えなくなったら乗っ取りを始める、一連のスキームを繰り返してきたフィクサーだったのである。ハモンドは反乱軍がカーディフによる水道支配による奴隷化に反対しており、手法は残酷だが家族を守っているだけだと説くと、その原因は自分にあり、ジャック達を何としても逃すという決意を示す。

その後、一同は夜明けまで仮眠を取る事にする。ジャックは望んだ生活では無かったのに、自分に付いてきてくれた事をアニーに感謝する。アニーは夢見た優雅な生活では無くとも、ジャックと娘達がいる今の人生の方がずっと良いとジャックを労る。二人は無事に国外へ脱出する事を誓い合う。

夜明け前、ジャック達は反乱軍の狙撃手による襲撃を受ける。ハモンドとケニーはこれに応戦し、ジャック達を逃がそうとする。その最中、ケニーが射殺され、ハモンドも致命傷を負う。ハモンドはジャック達を先に向かわせると、自らを犠牲にして追手の車を阻止する。

程なく、ジャック達は川に到達する。ジャックはアニー達を隠れさせ、漁夫に時計や靴と舟の交換を交渉する。そこに反乱軍の三人が捜索に現れ、隠れたジャックが発見される。処刑されようとするジャックを見たルーシーは、居ても立ってもいられず、ジャックを助けようと駆け出す。男達はルーシーを捕らえると、その手に銃を持たせて、ジャックを撃たせようとする。ジャックはルーシーを救うために、自分を撃つ様にルーシーに促す。その時、アニーが奇襲を仕掛け、男を撲殺すると、ジャックも銃を奪って二人を射殺する。

ジャック達は舟に乗ると、川を下ってベトナム国境を目指す。反乱軍が舟を察知し、川沿いに追跡を始めるが、ジャック達は既のところで国境を超え、庇護下に入る。ベトナム軍は反乱軍に警告を発し、追い返す。ジャック達はベトナム軍に救出される。負傷したジャックは入院し、治療を受ける。家族は無事を喜び合う。

 

 

クーデターというと政治的な香りがするが、東南アジアの某国で見境なく暴動が起きて、それに巻き込まれた一家がひたすら逃げまくるだけの話で至ってシンプル。地図的にはカンボジアがその某国に該当するとは思うが、劇中では隣国がベトナムという事しか明示されず、あくまで某国が舞台。欧米企業の横暴に耐えかね、市民が蜂起した様な文脈で語られているが、首相を殺害するのは安直だし、外国人のみならず同胞まで手当たり次第殺しまくるのはどうよって感じで、現実感に乏しいのは否めない。これではただの蛮族の集団で同情しかねるよね。敵のヘリが登場直後に墜落するし、ビルからビルに飛び移るシーンに随分と時間を割いているし、この国の正規軍は何をやっているのか全く不明だし、シリアスなのに馬鹿っぽいんだよなぁ。幼い姉妹が健気で可愛いし、ピアース・ブロスナンは脇役でもなんだかんだでスクリーン映えするしで、程々には面白かった。あぁ、家族って良いなってさ。

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